ラジコン&自転車時々インコ

趣味のラジコン(グライダー・ヨット)と自転車、それと同居のインコの話を徒然に日記書き

室の梅

宇江佐真理さんの「室の梅 おろく医者覚え帖」を読んだ。江戸時代に身投げや殺し、首縊りなどの死体の検屍をする医者を、ひとは「おろく医者」と呼んだ。「おろく」は 南無阿弥陀仏の六文字から「お六」となり死体を意味する言葉となった。


宇江佐真理は、女性時代小説作家の大御所の平岩弓枝さんや澤田ふじ子さんと比べると作品は少ないのですが、一作品、一作品、光っている作品が多いように思う。


とくに小説に登場する女性の心理描写が上手で、そのことで作品に男女の思いやる優しさが、ちりばめられているような気がする。


今回の作品はごつい大男でおろく医者の正哲と、身体はきゃしゃなのだが、若くしてお産婆をやっているお杏との夫婦の情愛とそれにからむ事件が面白い小説だ。