この作品49日間の料理レシピのお話かと思っていたが、さにあらず四十九日の法要のことなのだ。
妻の乙美を亡くし気力を失ってしまった良平のもとへ、娘の百合子もまた傷心を抱え出戻ってきた。
そこにやってきたのは、真っ黒に日焼けした金髪の女の子・井本。乙美の教え子だったという彼女は、乙美が作っていた、ある「レシピ」の存在を伝えにきたのだった。
妻を亡くした夫の良平と継母を亡くした娘の百合子。
乙美が描き綴っていた料理はもちろん、掃除の仕方など絵本のレシピが、二人を愛した乙美の気持ちを今改めて気づかせていくほのぼのとした小説。