この本の作者である藤谷治さんの作品は始めて。
?から?までの文庫本が同時に刊行され、全部通しで読むことができる。
良い本と出会うと嬉しくて、この作品もその一冊。青春時代が遠くに過ぎ去ったおじさんにもお奨めの青春音楽小説三部作。
高名音楽家が親族に大勢いる、ぼんぼん育ちの津島サトルは、芸高受験に失敗し、不本意ながら新生学園大学附属高校音楽科に進む。
英才教育でチェロを弾くようになり、傲慢なところがある津島は、高校でフルート専攻の伊藤慧やヴァイオリン専攻の南枝里子と出会う。
夏休みのオーケストラ合宿、初舞台、ピアノの北島先生と南とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、慌しい一年を過ごす。
人と協奏して楽器を奏でていくところから、傲慢さが溶解していく。
本屋大賞にノミネートされるなど、単行本刊行時に称賛を浴びた作品。
面白いです!!!。